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「カグ! 本屋の後は食料品売り場!」
「はい」
こうやって笑うと、綺麗な容姿がもっと綺麗に見えるからいけない。周りの注目を一身に集めている。当の本人は知らんぷりだ。
「ここですね」
エスカレーターを下りて右側にある大きな本屋に入る。
広いだけあって本の数も多い。
いくつもの棚に数え切れないほどの本が並んでいた。
これだけあれば欲しい本も見つかりそうだ。
「あっち見に行こう!」
神楽の着物の袖を引っ張ると、抵抗することなく着いてきてくれた。
私たちはそれぞれ本を探す。でも迷子になるといけないから、お互い見える範囲で。
「灯代さま。この2冊を所望します」
「うん! 私はこの4冊! 読んだら交換しようね」
「はい、もちろんですとも」
私の持っていた本をひょい、と取ってレジに向かう神楽の後を追う。
お金はちゃんと足りたけれど、時雨にあげるおやつはもうちょっと考えないと、帰りのバス代が無くなりそうだ。
「次は食料品売り場でしたね」
「うん! 随分と前に買ったグミ、売ってるといいな。時雨が気に入ってくれたんだよね」
「3年ほど前の……ですか?」
「うん!」
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