150人が本棚に入れています
本棚に追加
「これだけあれば十分だよね」
「そうですね。ではお会計を済ませて帰りましょうか」
「うん!」
私たちはレジの列に並び会計を済ませてショッピングモールを出た。
「あっつぅ」
「夏ですからね、仕方ありません」
そう言う神楽は買った荷物を全部持ってくれているのに、しかも着物なのに、涼しそうに笑っていた。
妖怪だって暑さも寒さも感じる。苦手な気候とかだってあるのだ。なのに何故神楽は、こんなに暑さを感じさせないのだろうか。
「神楽、 暑くないの?」
「暑いですよ? 夏ですから」
「何でそんなに涼しそうなのよ!」
「涼しくなどありません。とても暑いので涼しい場所に避難したいです」
どうやら神楽にも暑さが分かるらしい……。安心した。
私たちはバス停でバスを待つ。けれどあの森へ全部のバスが止まるわけでもないので、何本かは見送る。
「あ、これだ!」
「ちゃんとお金を払ってくださいね」
「わかってるよ」
私はやっと来たバスに乗り込む。
他の人間のお客さんも乗って来るので、さっさと後ろの席へ向かった。
ちなみにこのバスは私と神楽、それと運転手さん以外は人間である。
最初のコメントを投稿しよう!