第1章

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「今日の晩御飯は何かな?」 「なんでしょうね? お楽しみですね」 優しくふんわり笑う神楽につられて、私も笑顔になる。 それにしてもバスに乗ると眠くなってしまう。 「寝てもいいですよ? 着いたら起こしますから」 「じゃあちょっと寝ようかな」 私の頭が、神楽の肩に当たる感触に安心して、そのまま眠りに着いた。 「ひーよーさまー」 「うぅ~。も、う……ちょ、と」 「起きてください。もう着きましたよ」 「……。え?」 「ですから、着きましたよ」 私は神楽の肩から頭を離し、バスの中と窓の外を見渡した。 見慣れた木々が窓の外に見える。 私たちは急いで席を立つ。 「ご乗車ありがとうございました~」 そう微笑んだ運転手さんに、微笑みを返してバスを降りる。 ドアが閉まって森の方へと発車していくバスを見送って、私たちは家までの道を歩き出した。 「とてもよく眠っていましたね。久しぶりの町で疲れてしまいましたか?」 「うん。楽しかったけど、はしゃぎ過ぎたかな。」 私は肩越しに、はにかみ笑いをした。
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