第1章

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「巴~! 可愛いねぇ!」 私は思わず巴の背中に抱き着いて、頭を撫で繰り回す。 もう! 本当に可愛い! 「きゃあ! 灯代さま! 私は晩御飯の用意をしないと、間に合わなくなっちゃうよ」 「ちょっとぐらいなら大丈夫だよ」 巴の声を完全無視の体でまだまだ撫でまわす。 はぁ~、癒される~。 ご飯担当の巴は、時間をよく守る良い子なのだけれど、まだ子供で術に失敗する時がある。成功してしまうとこのモフモフを味わえないから、今がチャンスなのだ。 「灯代! 巴! グミ欲しい!」 「ダメ! シグさま今食べたら晩御飯食べれなくなるでしょ!」 「そんなに小食じゃないんだけど……」 「ダメなものはダメ!」 「巴がダメって言ったからダメ!」 私たちがそう言うと、時雨はわかりやすく拗ねてしまった。 だが気にしない! 食べ物に関しては巴がルールである。 「諦めるんですね、時雨。さて、クーラーでしたね」 「神楽もか……」 私たちを見てクスクスと笑った神楽は、クーラーの方へ行き、リモコンで電源を入れてみたりして、クーラーを直せないか奮闘し始めた。 時雨はふて寝。 お子様なんだから~。
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