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「巴~! 可愛いねぇ!」
私は思わず巴の背中に抱き着いて、頭を撫で繰り回す。
もう! 本当に可愛い!
「きゃあ! 灯代さま! 私は晩御飯の用意をしないと、間に合わなくなっちゃうよ」
「ちょっとぐらいなら大丈夫だよ」
巴の声を完全無視の体でまだまだ撫でまわす。
はぁ~、癒される~。
ご飯担当の巴は、時間をよく守る良い子なのだけれど、まだ子供で術に失敗する時がある。成功してしまうとこのモフモフを味わえないから、今がチャンスなのだ。
「灯代! 巴! グミ欲しい!」
「ダメ! シグさま今食べたら晩御飯食べれなくなるでしょ!」
「そんなに小食じゃないんだけど……」
「ダメなものはダメ!」
「巴がダメって言ったからダメ!」
私たちがそう言うと、時雨はわかりやすく拗ねてしまった。
だが気にしない! 食べ物に関しては巴がルールである。
「諦めるんですね、時雨。さて、クーラーでしたね」
「神楽もか……」
私たちを見てクスクスと笑った神楽は、クーラーの方へ行き、リモコンで電源を入れてみたりして、クーラーを直せないか奮闘し始めた。
時雨はふて寝。
お子様なんだから~。
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