プロローグ

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ミーンミンミンミーン! チリンチリン♪ ゴォーー。 「はぁ~涼しいねぇ」 蝉の鳴く声と風鈴の音が聞こえる中、私は冷房の効いた涼しい和室で寝転んでいた。 ゴォー……ォ……。 「……。クーラーさん?」 いきなり静かになってしまったクーラーを見上げる。 待って待って待って! 壊れたなんてないよね!? 「動いて~」 私はリモコンの電源ボタンをひたすら押す。 が、動く気配は全くない。 「そんなぁ~!」 ミーンミンミンミンミーン! 8月のある日、クーラーの壊れてしまった部屋に響く蝉の声が、一層夏の暑さを感じさせた。
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