第2章

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「ご馳走様でした。ふぅ~。美味しかった~」 「えへへ。ありがとう、灯代さま」 私は巴の頭をよしよし、と撫でて、空になった食器をキッチンに持って行った。 私が食器を洗い始めると、神楽が時雨の分と一緒に空の食器を持って来た。 「これもお願いします」 「はぁ~い」 私は黙々と食器を洗っていき、神楽がそれを拭いていく。 私と神楽の分を洗い終わったところで、今度は巴が食器を持って来た。 私はそれを受け取って、残る2人分を洗っていく。 「この布巾も洗ってほしい」 「了解」 巴から受け取った台拭きを先に洗う。そしてまた食器洗いに戻り、洗ったものを神楽に渡す。そしてそれを巴が食器棚に戻す。を繰り返している間、時雨が何やらずっと鼻をひくつかせていた。 「シグ~? さっきからどうしたの? 何か良い匂いがする物でもあるの?」 「いや、人間の匂いがした気がした」 人間? ここには人間なんて来ないのに。道に迷っちゃったとかかな? 私は最後の食器を洗い終わって、手を拭く。 「玄関? ちょっと見に行ってみようか」 「俺も行く」 「不審者だったら危ないですから、私も行きますよ」 神楽は巴に、食器を拭いていた布巾を渡して、廊下にいた私たちのところまで来てくれる。 女の人に変化したままの神楽の顔は、緊張しているように見えた。
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