第2章

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「だ、誰かいますか~?」 さっきより少し声を大きくして問いかける。私は怖くなって後ろを振り向いた。 時雨~、神楽~! 私が半泣きで視線を送ると、時雨が鼻をひくつかせながら、匂いの元を探り出した。 うろうろ、うろうろ。 「ここだ」 時雨は、そこに鼻を当てると「きゃあ」と言う小さな悲鳴が聞こえてきた。私と神楽が、恐る恐るそこに近づき、草むらをかき分けると女の子が蹲っていた。 「そんな所にいては風邪を引いてしまいますよ」 女の子は神楽が伸ばした手を見てから、半泣きで私たちを順番に見回す。やがてそろそろ、と神楽の手を取って立ち上がった。 その子は焦げ茶色の髪を肩の下あたりで切り揃えていて、背丈は私より少し高く、何処かの学校の制服を着ていた。 私は女の子が着ていた制服についてしまった葉っぱや土を払う。 「え……と? 貴女は迷子、ですか?」 半泣きのままの私と女の子は、少しの間お互いを見つめていた。 その様子を見守る神楽と時雨。 「え、と。わ、私は……」 「ここで話すのもなんですから、家の中へ通してあげませんか?」 何かを言いかけて、結局下を向いてしまったその子を見て、神楽がそう提案した。 でも悪い子じゃなさそうだから大丈夫かな。 私がコクリ、と頷くと、神楽は優しく微笑んで私の涙を拭ってくれた。
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