青天の霹靂

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 俺の通う湖舞沢大学駅から徒歩一分程。「TOMOCafe」って名の可愛いカフェがある。  二階建ての一軒家を店舗に改装した建物。一階は花屋さん二階はイタリアンレストラン。そして我らが「TOMOCafe」は半地下にある。小さな小さなカフェ。  TOMOCafeは湖舞沢大学の学生が経営してる学生カフェだ。そして俺もここの一員。  一時話題になった学生カフェ。それにブックカフェ愛好会サークルの先輩が感化されて自らのバイト代をつぎ込み店舗を借り、一緒に経営する仲間を募った。  一から自分たちでカフェを作る。企画好きで、お祭り好きな俺にはもってこいの場だ。赤西先輩は夢の為に溜め込んだバイト代や貯金をつぎ込んだが、実質細かいところは漠然としていた。自分のカフェを持ちマスターになる。実行力と決断力はあるものの、それ以外のことは考えていないようだった。  そこで、俺が名乗りを上げた。 「どうせやるなら、個性あふれる学生ならではのカフェにしましょう!」  俺のコンセプトに赤西先輩はもろ手を挙げて賛同してくれた。  さっそく俺はそれぞれに特化した能力のあるメンツを揃えようと新規でカフェ用の同好会を立ち上げ、やる気のある学生を募った。赤西先輩の夢に乗っかり、手伝いを買ってでた瞬間から赤西先輩の夢は俺の目的になったんだ。  有言実行。  これは俺の座右の銘だ。やるといったからには、やる。行動力なら俺だって赤西先輩に負けてはいない。目的のため動きに動いた。もちろんインテリア好きな子、料理好きな子、デザインが好きな子、酒好き等々、人材の募集もスカウトもイメージが漠然とした先輩の代わりに俺が引き受けた。
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