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ウサギから逃げる為に広い道から少し外れ、茂みの多い森の中へと迷い込んだ。
「ここはどこかしら?」
そう言いながら森の茂みを掻き分けながら前へ前へと進んでいった。
その雰囲気はまさに不気味の国そのものだった。
かなり歩いた所でアリスの後ろの茂みからガサガサと音がした。
ガサガサ…
ガサガサ…
その音はなんだか近づいて来ているような気がした。
「誰か…くる………」
アリスは後ろを振り返ったそこには誰もいなかったが!次の瞬間アリスは後ろから何者かに抱きしめられそいつに聞かれた。
「君がアリスだよね?」
するとその声は女の人のものではなく男のものだった。
アリスは咄嗟に叫ぼうとすると男はアリスの唇に人差し指を当てた。
「僕は君に危害は加えないよ、だってアリスだもの」
そう言った男は後ろからアリスの顔を覗き込んだ。
「今回のアリスは可愛いけれど、いつものアリスと雰囲気が違うみたいだ……これがあのウサギが言ってた……」
男のその言葉にアリスは反応した。
「何?あなたあのウサギを知っているの?」
すると、男は少し離れアリスの方を向き言った。
「そうだね。知っていると言えばずーっと昔から知っているけれど、僕は干渉出来ない立場だからね」
「干渉出来ない立場?」
アリスは疑問を男に投げかけた。
すると、男は面倒くさそうにしながら言った。
「はぁー面倒くさい…難しいことは他の奴らに聞いてくれ……僕は眠いや」
そういうと、男は姿を消した。
すると、木々がざわめく音に紛れ男の声がした。
「僕の名前はユリネス。役職はチシャ猫だから~何かあったら呼んでね~」
そう言い残し声は消え、木々のざわめく音も消えた。
「なんて自由な人…」
そう言いながら、アリスはまた森をさらに奥へと突き進んだ。
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