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その時だった。
体が宙に浮くような感覚が襲った。
何だ? 今度は・・
そう思って掌を見てみる。
案の定、予想通り・・
透明だった。
だが、これはまずいぞ!
今は授業中だ。
眠気も一気に醒めた。
気になって右横の男子を見る。
その男子、佐々木は目を細めながら僕を見ている。目を細めた後は目を擦った。
今度は左の子、加藤ゆかりを見る。スポーツ女子だ。
やはり僕を見ている。
普段は女子に見られることのない僕が、だ。
そして、肝心の後ろの席・・
おそるおそる、振り返る。
後ろには女子、僕と同じ眼鏡の速水沙織がいる。無口な女子だ。勉強ばかりしているイメージがある。水沢純子が健康的な文武両道なら、速水沙織は勉強一筋なのかもしれない。
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