終わりの始まり

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俺は新しくできたてほやほやの三菜高校に進学した。今日は入学式ではなく高校から届いた紙には開会式と書かれていたので開会式だ。まぁそれはどうでもいい。疑問は保護者同伴不可ということだ。俺の親は泣きながら行きたかったと言っていたが、正直来てほしくなかったので嬉しい。 どんな高校なのか考えているうちに、三菜高校に着いた。高校入試の時点ではまだ完成しておらず別の場所で受けたので見るのは初めてだ。 「でっけーなー。」 入り口近くから眺めると本当に大きい。でも不思議なことに形が半球でできている。 「本当に大きいね。」 いつのまにか俺の横には見た感じすごく大人しそうな男が立っていた。 「あっ、ごめん。僕、村川智。僕一人なんだけどでっかい声が聞こえたからこっちに君がいて一人だったから。」 智は本当に申し訳ないといった顔でこちらを見てきたので、思わず笑ってしまった。 「そんな謝る必要ないって。実際一人だったしな。俺の名前は古藤直哉。どうせなら一緒に行こうぜ。お互い一人ならそっちの方が安心だ。」 「じゃあよろしく。」 「こちらこそ。」 会話が終わったところで中に入った。外に誰もいなかったが中にも受付の人がいなかった。 「なんで誰も、受付すらいねぇんだ?」 「これじゃあ来てない人が分からないよね」。 中は外から見た通りで広い。真正面には体育館の入り口があり、入り口の左右には長い廊下がある。あそこから教室に行くのだろう。でも3学年あったとしてもこの学校は大き過ぎると考えていたところで、 「あそこに紙が貼ってあるよ」 と体育館入り口の扉に貼ってある紙を指差して言ってきたので、かんがえるのをやめ、紙を読むために近づいた。紙には 「お好きな所にお座り下さい」 と書かれているだけだ。 「とりあえず隅っこに座ればいいか。」 「うん。じゃあとりあえず中に入ろう。」 扉を開けると中にはもう全員入っているだろうと思った。でも学校は大きいのに、体育館は小さいので、高校入学者120人が入ると、少々きつい。俺達が予定通り隅っこに座ると、体育館の電気が消え、ステージの電気がつくと、ステージの真ん中には、まるで純白の天使とでも言えるかもしれないような可愛い女の子が立っていた。女の子は自分に視線が集まったのを確認し、大声で 「これよりペアと生き残り幸せを掴めゲームを開催しまーす。」
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