~ 幼少記の思い出 ~

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いつも先生と二人きりでお喋り? ― いつも先生と二人きりで、私一人だけずっと怒られてただけ。― 親と楽しそう? ― 怒られるのが、叩かれるのが怖いから笑ってるだけ。― 保育園の自由時間。 私が先生に怒られている間ずっと視界に入っていた、友達と笑って楽しそうに走り回る浜哉。 「お母さんと離れたくない」と泣ける浜哉。 そんな浜哉の方が、私はずっとずっと、羨ましかった。 だけど、そんなことが言えるはずもない。 涙が溢れそうだった。 でも、きっと泣いたらからかわれる。 だから私は、笑った。 本音を悟られないように、弱味を見せないように。 その時から、私は笑顔の仮面を張り付けることを覚えた。 そうやって、うわべだけの自分を守った。 本当の自分は、暗く冷たい心の奥底に閉じ込めた。
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