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どんな夢を見ているやら、眠りこける清の傍らに置いてある携帯電話が着信音を響かせる。
「――!」
途端に開眼した清は素早く携帯電話を手に取って着信の主を確認した。
「……空ちゃんから?」
その相手は先程紹介したチームメイトの神崎 空。
今は学校に行っている筈なのだが。
「……もしもし?」
疑問に思いながらも、清は通話を開始する。
「あっ、清さん?おれおれ」
このナンセンスなセンスの持ち主が空である。
「はいはい、どうしたの?何か困り事?」
それを華麗にスルーして清は用件を尋ねた。
寂しさを感じる少しの間の後に、空はその用件を話し始めた。
「あのね、最近……」
ゴニョゴニョと話す空。
清もその口調からどちらかというとネガティブな内容であると察する。
「……という訳なんだけど、ダメかな?」
話すべき事を全て話し終えた空は清の返答を待つ。
「うーん、少し時間が掛かるけど、良いわ。ちょっと待っててね」
清は携帯電話片手に立ち上がり、同じく傍らに置いていた物を反対の手で持った。
それはとても立派な日本刀。
模造刀などでは無く、本物の刀である。
清は剣術道場の一人娘で、父親仕込みの剣術と天賦の才能を持ち合わせたスーパーガールなのだ。
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