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「カイ!気が付いたんだね!」
部屋に入るなり、ユージーンが飛びついて来る。彼に尻尾があったら、きっと引き千切れんばかりに全力で振っている事だろう。普段ならすぐにでも間に割って入るレイも、今日は目を瞑っているのか何も言わない。少し呆れた表情を浮かべて、入り口近くの椅子に座っている。
「心配かけてゴメン。もう大丈夫だから。」
私はそう言ってユージーンから離れようとするが、全く離してくれそうに無い。その様子を見かねたのか、レイの代わりにダンがユージーンの襟首を掴んで軽々と引き上げる。ユージーンが手足をいくらバタつかせても、ダンの頑丈な腕はびくともしない。
「カイの気持ちを考えろ。」
そう一言だけ言うと、ダンは掴んでいた手を離す。ドスンと派手な音を立てて落ちる音。
「ちょっとちょっと!何暴れてるの?!」
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