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部屋の様子に何処と無く違和感を感じて、私は周囲を見回した。違和感を感じるけれどそれが何なのかは分からない。ショック状態が残っているのだろうか。
「レイは?」
いつの間にか椅子に座っていた彼の姿が見えなくなっている事に気が付いて、私は言った。
「え?」
アカネが身体を離して私を見る。
「何処に行ったのかしら?」
私はさっきまでレイの座っていた椅子に視線を置いたまま、誰に尋ねるともなしに呟く。ダンとユージーンも私の視線を追うように椅子を見た。
「あ、ねえダン。ユージーンも。ちょっと準備を手伝って頂戴。カイ、貴女は一旦部屋に戻って休んで。後で念の為の検査するから、覚悟しておいてね?」
実験の途中だったのを思い出したらしく、アカネが博士の顔に戻って指示を出す。
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