大きな、大きな予兆

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大きな、大きな予兆

    それは、巨大な宇宙空間の只中に、とてもゆっくりと、信じられぬほどの長い時間をかけて、ゆらりゆらりゆらりとその姿を現していった。それは、この広すぎる宇宙の濃い黒色の中にあって、それを全く受け付けぬか、あるいはそれと強く、どこまでも強く一体化しているかのような絶対的な光、青い青い光で自身を静かに、自然に、高らかに誇示していた。清新に浮かび上がるようにも見え、そこに物凄く堅く固着しているようにも見え、何人も正確にはその状態を表現することは出来なかった。  そしてそれは、太陽の光と共に存在した。太陽の強靭な大光は、無論それだけでなく、その周りにある幾多の星もくっきりと照らしあげた。  その星々は、熱のある鑑賞者のようにそれの回りを蠢いた。だが、決して近づき触れることは出来ぬ。自身よりも、はるかに豊穣なる光を称えたその星に。 今を生きる我々は、それが何であるかを知っている。
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