第三章②

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第三章②

モズ、バルチア あー、めんどくさいねえ。 綺麗に剪定された大木ガーリーがその周囲を取り囲む高位者専用の宿舎、その自室にある大きく高級なソファにもたれて、ドゥンムはため息をついた。休暇中、友人と部下、合わせて二人の結婚式に出席しなければならない。以前は、同僚でも部下でも友人でも、時々酒を飲んで愚痴を聞いて、慰めてやればそれで良かったが、高位ともなると面倒な付き合いが増える。普段付き合いのある者ならまだしも、疎遠になった者からも声がかかる。今回の結婚式もそうだ。 まあ、部下は仕方がないにしても、友人の方は、初位時代にそれなりに付き合いがあったという程度のもので、相手からすれば高位のドゥンムが出席すれば拍が付くという気持ちが、ありありと感じられる。しかも、ドゥンムの力強い容姿は、ダツとして実に格好のいいものなので、そういう場では猶更求められる。 あの、ごてごてした華美な服を二度も着なきゃなんないのかい。     
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