第五章③

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互いの力の合成も己の能力を客観的に弁えなければ、中々出来ることではない。回りが良く見えていない若い連中には時間がかかる。相手の精神と自分の心を同調させて、力を二倍にも三倍にも増加させることが可能となる。これは超能力種族クドラの際立った特徴で、能力的には平凡な者であっても、複数の力を合成すれば、強敵にも全く引けを取らずに渡り合うことが出来る。ダツとガメロンの組織も、そのことを弁えていて、訓練の際には、クドラと戦う時は必ず各個撃破すべしと教官のでかい声が響く。 最もダツの組織員に言わせると、ガメロンは武器に頼らないとてんでダメだし、クドラは群れないと何も出来ない卑怯な連中だということになる。生身で一番強いのはダツだと。 ガメロンはといえば、クドラの力を、あれはイカサマの魔術だと認識し、ダツに関してはあいつらの強さなんて野蛮なだけだから、ちょっと頭使えば倒すなんて簡単だと言っている。 「皆、お疲れ様。今日はこれで終了。帰りましょう」 走りや岩登りといった体力の増強も含めて、うだるような暑さの中の、合計三時間ほどの鍛錬を終えてのデルガの言葉に、一同は笑顔を浮かべ飛空艇に乗り込んだ。ネルミンが運転席に座った。中は冷房が効いていて、カノーダ、ゼノア、ダイゴウの三人は心地よい疲労感に包まれてぐたっと椅子に体を沈めた。三人とも水をごくごく飲む。 三人は渇きを癒すと、各々がタオルを水で濡らして気持ちよさそうに汗をぬぐった。
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