暴露

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 城の門番に会釈して、城の中に入る。  やっぱりゲームで見るより、臨場感があるな。  気分はお姫様ですよ。 「最近はローズまで城に訪れなくなって、正直寂しいぞ」 「私も学園に通う身として、淑女の嗜みを身につけなくてはいけませんから。もう幼い頃の様に、おいそれとカールと会う事は出来ません。ご学友を作り、その方を連れて来れば宜しいかと」 「解ってはいる。だが幼馴染みである親友の二人と、疎遠になるのはどうにも耐えられぬ」 「こうして身内の時だけは、あの頃と同じ様には心懸けるから、普段は我慢してね?」 「今日位は泊まっていけ。家の方には使いを走らせる。いいな?」 「はいはい、寂しん坊のカールを放っては置けないものね」 「仕方ないな、今日だけだぞ?」 「あ、あの。私は・・・」 「ここまで来て一人だけ帰す訳が無かろう。勿論、お前も泊まって行け」 「は、ハイィ!」  さて、本来なら夏のイベントだけれど、すっ飛ばさせて貰おうかしら。  夏はやる事が沢山あり過ぎて、今の内にやれるなら、後々楽になるからね。 「城の案内が終わったら、国王様に謁見させて貰える? 伝えたい事があるの」 「そうか。父上も久し振りにローズの顔を見たいだろうし、伝えておく」 「ありがとう。さあ、どこから案内してくれるのかしら?」  私達は、城のあちこちを散策したのだった。  ゲームと同じ景色でも、自分の足で歩くと全然違って見えるのね。  マールが攻略しない場合は、私がカールと結婚するのだけれど、魔王様を攻略する今の状況では、それすらも踏み越える必要がある。  戦争になったら、ここもタダでは済まないのだろう。  見納めになるかも知れないから、しっかりと目に焼き付ける。  予めカールが伝令をしていた様で、散策中に謁見の許可が降りて近衛兵が迎えに来た。 「久しいな、ローズよ。元気にしていたか?」 「ハイ、国王様もお変わりない様で。今日は伝えたい事が有り、謁見を申し入れさせて頂きました」 「堅苦しいぞ、伝えたい事とはなんだ?」 「彼女の顔を見て頂けたのなら、お解りかと存じます」  私は後ろで緊張の余り、下を向いたままのマールの横に連れ添い、国王に顔を向けさせる。 「な!? そなたは、まさか・・・」 「?」  マールは何がなんだか解らない様だ。  まぁ、ゲームでは国王から伝えられるからなー。 「彼女の事をカールにも話してあげてください。これから同じ学園で学ぶのです。何時迄も他人のままでは、可哀想ではありませんか?」 「! ・・・知っていたのか、ローズよ」  前世から知っていました。  ゲームの知識で。
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