温泉

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 ゲームでも何故、慰安旅行みたいな状況か不思議に思ってましたが、単に学園長が生徒をダシに使って世界樹の木が枯れた事による心身の疲労を癒したかっただけなのかもしれませんわね。  事件解決後の現状は、世界樹の木も学園長も健康そのものですが。  こうして体育祭は終了しました。  私にとっては体育祭よりも思い出に残る出来事が有りましたが、今はまだ秘密にしておきます。  温泉旅行楽しみですわね。  ~某所~ 「何と言う事だ。世界樹の木の聖気で弱体化していたとは言え、四天王である俺が手も足も出ない相手が魔王様以外に現れるとは・・・ローズ。その名、決して忘れはせんぞ!」  全く必要の無いフラグが勝手に立っている事に気付ける訳も無く、私は浮かれた気分で温泉旅行の準備をしていたのでした。  翌週、私達はゴーレムの御者に引かれた馬車に乗り、温泉地に向かっています。  学園の参加人数は引率の教師を含めて七十名程。  従者を含めれば百三十名を超え、約五クラス分の馬車が隊列して移動するに際し、護衛役の冒険者迄雇う徹底ぶり。  従者は馬車の中で、主人の世話に専念が出来る様になっている。  複数の従者を連れている生徒は、片方の従者が交代で馬車の外で御者台に座っている。  馬車の中は六人乗りなので、三人の生徒と従者が三人で満員となる為だ。  温泉地へ着くのに約五日。  道中で野営も行うので、ある意味課外授業を行なっている様なものだ。  但し、殆どは従者に任せてしまう為、生徒自身がやる事はお遊戯程度になってしまうが。  約二十日間を温泉地で過ごし、帰って来くる頃には期末試験が待っているので、温泉地にいる間も勉学に励む生徒も多い。  その為、教師も質問等を受け付けられる、選りすぐりの教師が選ばれている。  ベルモーセス先生もその一人だ。  ゲームで体育祭に優勝出来なくても、攻略対象が何かと理由をつけて学園に残るので心配は要らないが、温泉地での特別フラグは見落とす事になるので、大体がリセット案件になる。  今回私が連れて行くのはセバスチャン。  大体の事は自分で出来るので従者は戦闘にも役立つ者だけとした。  カールはセルゲーを、マールはケーベルとフォルナを従者に連れて来ている。  ケーベルは終始御者台に座る事になっている模様。  話す機会が少ないのは、致し方無いか。 「カール兄様、温泉地に着く迄にこの範囲を終わらせましょう。絶対試験に出ると思いますから」 「そうか、こんなに範囲が広かったのか。油断出来んな」
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