第ニ章

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「だぁぁぁ! 幾ら何でもこれはヤバイ! 次会ったら締めてやる!」 かなりの高さから落とされながらも悪態を吐く。 辺りは夜なのか月明かりしかない。 何とか空中で体勢を整えると頭の中で宙に立つ事を 強くイメージした。 すると地に足がついた様に立てた。 「やれば出来るもんだな とにかく降りないと」 階段を降りるイメージをしながら地面に降りて行き しっかりと足が着くと盛大にため息を吐いた。 「とりあえず住処探しだな 一先ず誰も住んでない空き家に今日は泊まるとして 食事は魚や木の実を取ってくるかな ついでに散策もして把握しないと」 『お前 鬼か?』 「一応そうだよ? 君達は?」 『おいら達は雑鬼って呼ばれてるんだ』 「小さくて可愛いなぁ~ ねぇ良かったら此処の事 教えてくれないか? 来たばかりで右も左もわからないんだ」 『いいよ~ でも何か変な奴だなぁ~ 丸で人間みたいだ』 「俺はかなり変わり者だから鬼の群れからも 追い出されちゃったんだよ だからせめて君達とは仲良くしたいと思ってるよ」 『そっかぁ~ お前も大変なんだな とりあえずおいら達が寝床にしてるとこに 案内してやるよ』 『おいでおいで』 「ありがとう お邪魔させてもらうよ」 雑鬼達に連れられ寝床にしている空き家に向かった。 着いた頃には少し空が白み始めていた。 腰を下ろすとついつい大きく欠伸をした。 『眠いのか?』 「ちょっとね でも大丈夫だよ」 『でも日に当たらない方がいいよ もっと奥の方に入りなよ』 『そうだね 鬼は日に当たると火傷したみたいになるらしいぞ それに誰かにうっかり見られたら大変だしな』 「見鬼の才が無ければ見れないだろうけど まぁ騒がれるのはちょっとなぁ しょうがないから奥に入ろっか」 『おいら達も眠たいから昼寝してから教えてやるよ いいよなぁ?』 「んじゃ俺も昼寝するよ おやすみ~」 ゴロリと横になると目を閉じて眠りにつく。 念の為にこっそりと糸を部屋の入り口に蜘蛛の巣状に 張っておいた。 入り口は1つしかないので此処を通るしかない。 誰かが来れば直ぐにわかるだろう。
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