餌付け

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今日の家庭科部は来月に控えた体育祭の各チームの団旗の補修作業。 余程暇な部活と思われているのか、雑巾作りなどの雑用も頼まれることが多い。 でも、私のカバンには今小さなおにぎりが二つ入っていた。 家庭科の授業で作ったご飯と生姜焼き。 残りを少しもらっておにぎりにした。 残念ながら海苔は巻いてないけれど、それは許してもらおう。 いつも美味しそうに食べてくれるあの人を思い浮かべるだけで口元が緩んだ。 バス停まで。スキップしてしまいそうなほど、足元が軽い。 早く。 会いたい。 「腹減った!」と大声で叫ぶ声が後ろから近づいてくる。 その中で一際目立つ彼の声。 もう、すぐに見つけられるようになった。 「あ、あの。良かったらおにぎり食べますか?今日は一人分しか無いんですが」 バス停に着く手前で坊主頭の彼に恐る恐る差し出した。 「え?」 少し驚いた表情の彼。
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