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だから、有力ライバル候補のダンガス伯爵家のご令嬢を蹴落とす予定だったが……
周りにいた取り巻きの一人、多分あいまいな記憶では子爵子女だった気がする。
うまく丸め込めるはずだったけど……
この世界は、勝てば官軍、負ければ賊軍。
王族、特に権力者になれば、鷺を烏と言いくるめる。つまりは言う事を聞く。無実の罪を着せるなんて、日常茶飯事だし。
みな、足をすくわれないように生きている。そんな世の中だった。
でも、前世の記憶が戻った途端、なんだか法治国家の日本が懐かしく、この世界がどうでもよくなってしまった。第一に……刺されたり、蹴落とされたりするのは嫌だからね。
心配そうにまだ見ている友人たちに微笑んで
「早くしないとお昼終わっちゃうわよ」
なんでもないよと伝えた。
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