3 お隣。

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 目の前にある真っ白な表札を見つめる。  ちょっと見つめる角度を変えてみる。 「うん。どう見ても真っ白!」  胸を張って頷く。 「……って、そうじゃなくって」  お菓子の箱片手にひとりでボケてひとりでツッコミを入れる。  傍から見たらアホな子全開だと思うが、いろいろ想定外のことばかり起こりすぎて今日は頭がパンク気味なのだ。  どうも南と関わると余計な考え事が増える。 「うーん。こうしてても仕方ないし……」  思い切ってチャイムを押してみようか。  表札は真っ白だけど、お母さんの言い方だと多分ここは南の家で間違いなさそうだし。もし違っても丁寧に謝れば許してくれるだろう。  私は人差し指を立て、思い切ってチャイムのボタンを押した。  ピンポーン、と聞き慣れた電子音が鳴る。 「……あれ?」  誰も出てこない。  もう一度……。 「あれえ?」  電子音が響くだけで誰も出てくる気配がなく、首を傾げる。  お母さん、もう南は帰ってきてるみたいなこと言ってたのに。 「もう一回……」 「おい」 「へ? きゃっ!」 「お前、人の家の前で何やってんの?」  振り向くと思ったより近い距離にいて思わず飛び跳ねる。 「み、南……」  コンビニの袋を下げた南が眉を顰め立っていた。
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