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「先生!中庭で男子生徒が女の子に乱暴してます!」
殴られる、そう思った瞬間に響き渡ったのはこの3日間で耳に馴染んだ王子先輩の声だった。その言葉を聞いて不良共は慌てて逃げていく。
駆け寄った先輩は力が抜けて地面に倒れ込んだ私を抱き上げると、近くのベンチまで運び丁寧に横たえてくれた。
「…先輩、また助けてくれてありがとうございます」
「馬鹿野郎!!どうして僕なんか庇って……」
「王子先輩が好きだからです」
はっきりとした口調でそう返すと、彼は眉根を寄せて顔を顰めた。
先輩にそんな表情をさせたくなくて、安心させるようにその手を握りしめる。
「……何で僕なんか好きになったの?キミとは接点なんて」
「ありましたよ」
そう言うと先輩は目を見開く。驚く彼に向って私は過去の出来事を語り始めた。
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