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――お付き合い。
常に噂の絶えない彼だったが、一つだけ変わったルールを持ち合わせていた。
それは、『王子優真に告 白したらどんな女の子でも3日間だけお付き合いできる』というものだった。
その間に王子先輩が相手の女の子に恋心を抱いたら女の子側の勝利、晴れて本当の恋人になれるが、もし先輩が恋心を抱けなかった場合、彼に告白することは二度と出来なくなるという決まりだった。
これはあまりにも殺到する知らない女子からの告白に対して王子先輩自らが掲げたルールらしく、そしてそのルールが今もなお継続しているという事はすなわち、誰も先輩に勝てた者はいないということだった。
また、王子先輩は浮気をしないこともポリシーにしていて、必ず一人の女の子に対してきちんと3日間は誠実なお付き合いをする。そして、今日で1年C組のクラスのマドンナ、姫川梓と別れたという情報は事前の調査で得ていた。
「本気です、私は入学した時からずっと王子先輩が好きでした…!」
俯いていた顔を上げ、相手の目を正面から見つめ返す。
王子先輩は私の真剣な表情にその本気度を悟ったのか、一息つくと了承の意を示してくれた。
「わかった。もう今日は遅いし、明日か らにしよう。
3日間キミと僕は恋人同士だ。よろしくね、風紀委員長」
こうして、私と王子先輩の恋人期間が始まったのである。
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