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「女の子が一人で…危なくないの?」 「私3歳の頃から合気道をやっていて、幼い頃から護身術には長けていたんです。 そうやって勝った後は、その相手と正面から向き合って相談に乗りました。 例えば、学業が疎かになってしまった人と一緒に勉強をしたり、不安を抱えている人には一緒に解決策を考えたり、自分を見て欲しいという人には他人に迷惑のかからない目立ち方を提案しました!」  先輩と喋るのに緊張していたのが嘘かのようにスルスルと言葉が出てくる。 風紀委員の事になると熱くなってしまうのは私のいつもの癖だった。 しまった喋り過ぎたかと思い先輩の顔を慌てて見ると、彼は口元を手で抑えながらくすくすと笑っていた。 「風紀委員長って面白いんだね。すごくかっこいいよ」  王子優真はいつも朗らかに笑っている。 しかし、私はその先輩の表情がどこか周りに合わせているような、無理をしているように見えてしょうがなかった。  そんないつもの顔とは違う、穏やかで気さくな微笑みを浮かべてもらえたことに嬉しくなる。 先輩も何か困っている事があったら、何でも相談して下さいね。そう言って胸を張ると、彼は苦笑しつつも頷き返してくれた。
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