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都会の喧騒から外れた寂れた街。人気どころか街の明かりすらもあまりない廃墟のような街。
ここは都会近くのベットタウンとして山を切り崩して作られた街だ。こうして街を歩いたらわかるようにここの計画はとん挫したのだ。
都会から近い所為なのか開発途中のビルや家屋には不良などのアングラな人間が寄り付き、かつて木々が生い茂っていた道路の脇には有象無象のゴミが積まれている。
そう、ここは都会から忘れ去られた街だ。その街の一角に計画初期に建てられたビルや家屋がある。わずかなライフラインがあり、バスなどの交通機関があり、かろうじて人が住める環境であった。
僕の住処はその中の一つにあった。
3階建ての小さなビル。ビルの所有者は僕ではないが僕はこのビルをまるまる生活空間として利用していた。
「ただいま」
バイトを終えた僕がくすんだコンクリートの入り口を通ると周囲がようやく生活の明かりに包まれた。
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