第一章

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第一章

 何故だ…体が全く動かない。俺は焦った。さっき目の前に虹色の光が見えたと思ったら、次の瞬間にはもう、体が固まってしまっていた。  さっきまで、俺たちタカギ班は、地球防衛隊が開発した新型の宇宙戦艦であるドラコニア号をイーグルチームに引き渡す前の、実戦配備前最終テストを行っていた。この水陸宇宙の万能戦艦が稼働すれば、地球の防衛力は飛躍的に高まると期待されていた。  武装こそ外されたり、偽弾頭にすり替えられたりしているが、今回のテストは限りなく実戦に近いものであり、イーグルチーム同様、少人数で船の機能を全てこなす事が求められていた。俺たちに大役が巡ってくるのは半ば必然と言う訳だ。  月面基地への道半ば、テストそのものは順調に進んでいた。そう言う時こそ、縁起でもない軽口が出るものだ。ガンテツは何と言った?そう、「この手の試験飛行時に、エイリアンが襲って来て、全員謎の光線でカッチコッチに固められるってのはSFドラマのあるあるっすよねー。」だった。まさか、その話が現実に…?     
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