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いつからだろう。
僕は彼女はを見続けている。
いつも寂しげで、なにか心ここに非ずの彼女に惹かれている。
彼女はいつも仕事帰りにここによる。
決まって外のテラス席で愛猫をゲージにいれたまま撫でながら珈琲を飲んでいる。
彼女の最愛の人がなくなったのはもう二年も前になる。
彼女の目の前で彼女を庇って、車にひかれこの世を去った。
病院で警察官に説明されても、彼女は虚空を見つめたままその目から悲しい滴を垂らしているだけだった。
警察が彼女に出来ることは多分なにもなかっただろう。
ほどなくして犯人は捕まった。
無免許運転のガキであった。
交通犯で、未成年と言うことで犯人はたいした罪に問われず、釈放される。
彼女や彼の両親への謝罪は今だにない。
彼女はその犯人の名すら知らせてもらえてない。
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