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彼女の周りで不可思議なことがおきはじめる。
大学のゼミにも復帰し、しばらくたった頃である。
彼女となくなった彼の共通の友人たちと彼の墓参りに向かうため駅で待ち合わせをしていたときである。
花を片手に持ち改札前でたっていると、不意に声をかけられた。
「先輩ですよね!」
そこには少し背の低い若い男がたっていた。
たしか、この男はこの前ゼミに入ってきた二回生の男だったはず、
特に話したこともないはずだけど。
なにか嫌な感じのする男だ!
彼女の愛猫もなにかを感じて毛を逆立てている。
「どうしたの?」
彼女が心配そうにケージの中を見る。
僕も猫もなにか嫌な感じを男から感じ取ったが、彼女に伝えるすべがない。
「どうやら僕が嫌いみたいですね。あまり動物には好かれない方なので」
男は頭をかきながらケージから少し距離をとる。
「ごめんなさい、今までこんなことなかったのだけど。」
彼女は心配しながらケージを覗きこむ。
彼女のいれた指に顔を擦り付けニャーと一鳴きすると猫はおとなしく丸くなり寝てしまった。
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