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「裏世界の干渉は検討の余地があるかもね」
「おおっ、ついに覚醒せし、わが妹よっ」
「いい加減になさい」
「いたい、おか~さんやめて」
ソニアが艦からデータを居間の二百インチモニタに転送した。
「紫色の発光があった直後と、お姉ちゃんが量子共鳴チューブで数奇屋の動画を見ていた時に、艦の予備重力センサーが異常反応しているの。普段は電源を切ってあるのよ」
たしかに、BZ振動の復活に似た、脈絡のない挿入がみられる。
まるで、前後の流れを無視して貼り付けられたコピペ文にいっぱいマジレスがつくように。シアは、手を鳴らして女どもを呼び寄せた。
「裏世界から来たマグロ泥か……。数奇屋の動画に糸口がありそうね。今から白鳥座へ飛ぶよ!」
腕利きのチーム・フレイアスターをしきる彼女が普段の表情を取り戻した。
「戦略創造軍の許可は得たの?」
何事もきちんと手順を踏まないと気が済まないソニアの問いに、きびきびと答える。
「依頼主、請負人ともにフレイアスター家名義で申請しておいて!」
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