豚骨ラーメンはヤバさマシマシ? これはアカン店や!

7/7
前へ
/344ページ
次へ
疲れてしまうから四六時中というわけにはいかないが、たとえ身内であれ勤務中(オン)勤務外(オフ)を弁えている。 まくれあがるミニスカートを抑えながらコヨーテが操縦席におさまる。 エレベーターの床が甲板と同じ高さになり、人型海洋魔物(ニンゲン)どもが機体を乗せたパレットをロープで引く。 コヨーテが術式を唱えると、にびいろの結界が操縦席を取り巻き与圧を保つ。背中から腰まで垂れた翼をもち、気密服を着用できない天使(メイドサーバント)特有の儀式だ。 車止めを外しおえたニンゲンたちをシアが退避所へ引率する。出番を待ち望んでいたグレイスが、中二風味たっぷりの呪文を嬉しそうに唱えた。 『命の息吹をつかさどりし精霊たちよ、戦乙女の出立と武運長久を天高く祝福せよ!』 機体の真下に紋様がきらめき、激しく回転を始めた。 <i131892|12666> 『虚空へ(レビテーション)』 グレイスが両手でかきあげる様に空を切ると、蛍光色の魔法陣がコーヒー皿のように機体ごと浮上する。 コヨーテ機は家族たちが見上げる中、みるみる空へ吸い込まれていき、長い飛行機雲をたなびかせた。
/344ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加