まさかのライセンス剥奪? いきなりの艦隊戦!

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 どんな仕事も請け負えばいいと言うものではない。私利私欲による私怨。社会の根幹を揺るがすような依頼は排除されてしかるべきだ。  ハンターギルドは国連傘下の軍事諮問機関である。強力な軍事力を有し国家の上に立つ権限を持っている。  たとえ大統領すらあずかり知らぬ機密文書であろうと、ギルドが「開けろ」と言いえ封を切らねばならない。 「シアさん、どうするのよ? これ」  茫然自失する一家にコヨーテが厳しい現実を突きつけた。 「どうするも、こうするもライセンスが無くちゃ動けないわよ」  ぷぅっと頬を膨らませ、長いエルフ耳を垂れるシア。コンソールに頬杖をつく。こんな仕草をする時の彼女は対策を考えているケースが多い。 「私的な調査はできるはずよ。知る権利は基本的人権に含まれているわ」 ソニアが落ち着いた声でいうが、空しく響くだけだ。  事実、空飛ぶ要塞ともいえるライブシップは七つぐらいの先進技術文明は朝飯前で同時破壊できる軍事力を有するため、行動範囲を大幅に制限される。 「今回は最悪、コヨーテひとりに動いてもらうしかなくなるわ」 シアがお手上げ状態だといいたげに操縦席に横たわる。  「三時の方向に大規模な重力波探知」  泣きっ面に蜂とはこの事だ。既に述べたようにエキゾチック物質の周囲では時間の流れが遅くなる。     
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