unknown

序

　言葉の持つ響きが、達也の反抗心をしたたかに刺激した。管理者を確かめる。ユー・エヌ・ケー・……。意味はわからないが、ハンドル名からして人を小馬鹿にして見える。青く表示された名前をマウスでクリックした。今までどんな番組を流していたのか、興味をそそる。期待に浮かれる目に映しだされた画面はNot Foundだった。自然と舌打ちがついて出る。余計な苛立ちが募る。
――誰も知らない話、か。
　ふたたび文字を見つめながら達也はマウスの左ボタンを押した。
　なかなか開かれないページがようやく画面に表示されたのは、ちょうど頭の真上で、雷光とともに空気が震えを身に伝えるほどの音響があったときだった。