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ピーンポーン
インターホンが鳴る。
私は緊張でドキドキしている心臓に両手を置き、一度深呼吸してから出た。
今日は土曜日、そして外はすでに太陽が沈んで暗くなっている。
「はい」とインターホンに出ると、理人さんの落ち着いた低い声が聞こえてきた。
「こんばんは、理人です。今、大丈夫だった?」
「あ、はい・・・あの、屋上行きませんか?」
了承の返事をもらい、屋上で待ち合わせることにしてから通話スピーカーを切った。
家の鍵だけ持って靴を履く。
待たせてはいけないと思い急いだので、思わず家のドアをバタンっと思い切り閉めてしまった。
くるみちゃんの部屋まで音が聞こえたのではないかとヒヤヒヤし、4階の廊下から逃げるように屋上へ向かう。
その甲斐があってか、先に屋上へ辿り着くことが出来、ひとまずほっとしてベンチの端へ腰かけた。
今日は星が多いなぁ、なんでこの前来たときにこの星空を見せてくれなかったんだと、星に八つ当たりする。
でも、そうでもしないと口から心臓が飛び出そうなくらい緊張がピークだった。
八つ当たりした後、星は願うものなのに、なに八つ当たりしてるんだ罰当たりが!と今度は自分に叱責したときに、屋上の扉が開く音がした。
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