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理人さんはそんな私のことを、ただただ真剣な眼差し見つめていた。
「理人さんは一緒にいると落ち着くし、本当に素敵で私なんかにはもったいない人なんですけど、
その、私、気付いてしまって・・・
私、どうやら日向のことが好きみたいなんです。
だから、ごめんなさい!」
ぎゅっと目をつぶって、自分の太ももに顔がついてしまうくらいに頭を下げた。
「やっぱり、そうだったんだね」
「え?」
「この前の様子見て、もしかしたらそうなんじゃないかなと思ったよ。
ほら、ホームパーティのときもチラチラ百瀬のこと見てたでしょ?」
えぇ?!私そんなにチラチラ見てたの?!
自分では無意識の行動だったので、それを聞いてなんだかショックだった。
「実はね、百瀬にあの部屋紹介したのって、奏楓ちゃんの隣に見ず知らずの人が住むくらいなら、
知り合いがいいと思ってのことだったんだけど・・・失敗だったな」
両手を組んで上にあげストレッチをしながらそんなことをさらっと言う理人さんに、ドキリとさせられる。
「変な独占欲なんて捨てて、早く気持ち伝えればよかった。って、今さらだけどね」
悲しそうに笑うその表情に、思わず何も言えなくなった。
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