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走って4階の廊下へ出ると、402号室へ入ろうとしている日向の姿が目についた。
「待って!」と言いながら再度走ったのだが、勢いをつけ過ぎて日向にぶつかってしまい玄関へ倒れ込む。
「あの、私、日向のことが好きだから!」
顔をあげて、走ってきた勢いのまま無我夢中で伝えた。
「なにこれ?オレ襲われるの?」
そう言われて、ふと今の状況を確認する。
「わぁーーーーっっっ!!!」
なんだ、これはーーー!
なんで日向が私の真下にいるんだーーーー!!
日向の上に馬乗り状態になっていることに気付き慌てて飛び退こうとするも、背中に腕を回される。
すっぽりと腕の中に入ってしまい、私の体は固まった。
「オレも、好きだよ」
耳元で彼の甘く優しい声が聞こえた。
「でも女の子に襲われる趣味はないから、そこは合わせてあげられなくてごめんね」
「人を襲う趣味なんてないです!!!」
そう言って顔をあげると、思っていたよりも近くに綺麗な二重の瞳がありドキッとする。
「じゃあ、やっぱりセクハラ?」
「んなっ!久しぶりにそこ引っ張り出さなくていいのー!!」
「ははっ」と笑った日向にキスをされた。
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