ハナミズキ

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「ちょ、なんでいきなり!」 恥ずかしくなり思わず体を離そうとするも、日向の腕にがっちり抱きしめられており脱出は不可能だった。 「いきなりじゃなかったらいつするの?いちいち確認するってこと?」 「いや、そういうことじゃなくて、こ、心の準備とか、ほら、色々あって」 しどろもどろになる私を見て、日向はまた笑った。 「じゃ、心の準備出来たら教えてよ」 そう言って、またキスしてくる。 「なっ、まだ準備出来てないってば!」 顔を赤くして慌てる私に「準備出来るまでしないとか言ってない」としれっと言ってくる日向。 もう!と思いながらも、彼の笑顔を見るとこうして振り回されるのも悪くないなと思ってしまった。 「明日の日曜日は、実家帰らないから。 これからは、自分ために使う」 「・・・うん」 きっとこの結論に至るまでには、日向の中で色々葛藤があったんだろうな。 少し、泣きそうになった。 「だから、明日はもっとスゴイことしようね」 そう言って、ニヤリと笑った。
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