《番外編》クローバー

21/21

192人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
「・・・日向!聞いてる?」 「たぶん、聞いてる」 「そこは、嘘でもちゃんと聞いてるって言うとこでしょー!」 「嘘でいいの?」 ニヤッとしながら言うと、奏楓は「そ、それは言葉のあやってやつで」としどろもどろになる。 そんな奏楓の頭を「ははっ」っと笑って、そっと撫でた。 「てか、これ持つ」 奏楓が持っていた画用紙を全て手から抜き取り、自分のカバンと一緒に片手で持つ。 「あー、そんな雑に持たないでよ!端っこ折れそうになってる!」 「だってこれ邪魔。手、繋げないから」 そう言って奏楓の小さな手を握ると、「もう!」と照れた表情をした。 抱きしめたい衝動に駆られたが、家までは我慢することにする。 オレは今幸せだよ。 今度はそっちが幸せになる番だね、蓮。 FIN
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

192人が本棚に入れています
本棚に追加