192人が本棚に入れています
本棚に追加
自分が住んでいる401号室の隣の部屋を見つめ、今日のお昼にトリップしたことを思い出した。
あれからまだ1ヶ月も経ってないんだな。
なんかすごく遠い記憶に感じる。
「邪魔なんですけど」
いきなり声がしたので、驚いてその場から飛び退く。
声の主を見ると、男の人が気だるそうに立っていた。
柔らかそうな髪の毛に、上品で綺麗な二重の瞳。
整った中にどこか可愛らしさも持つ顔立ちだった。
昔近所の同級生が飼ってたロシアンブルーに似てるな。撫でようとしたらめちゃくちゃ嫌がられたっけ。
そんなことを考えていると、彼は402号室の鍵を開け中に入っていった。
・・・あ、新しい人越して来たんだ。
少しだけ寂しい気持ちになる。
いつ越してきたのかな?
・・・ていうか、今さらだけど第一声が邪魔なんですけどってどういうこと?!
普通こんにちはでしょうがぁ!
こんにちは、邪魔なんですけど退いてくださりますかお嬢さん、でしょうがぁ!!
一度考え出したら急激にイライラしてきた。
なんなの、あのロシアンブルー男は!!!
雰囲気も猫っぽかったし。
よし、彼を猫男と命名して差し上げよう。
誰も頼んで無いのに勝手にあだ名を付けて怒りを収め、自分の部屋へ入った。
最初のコメントを投稿しよう!