0人が本棚に入れています
本棚に追加
「約束したから。その、バタフライ教えるって」
あまりにさらっと言うものだから、どこにむかって言っているのかわからなかった。
「ずっと、彼女との約束が頭から離れなかったんです」
先輩が私を見ている。
クラス中の視線が私に集まる。
「ごめん待たせて、約束は守るから」
頭をポンとされたような。やさしい笑顔。
「あんたって子は?」
リカなににやけてるの、ちがうちがうって、そういうんじゃなくて!
クラスのみんなはほんわかしたみたいだけど、私は真っ赤な顔で溺れそうです。
〈完〉
最初のコメントを投稿しよう!