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「もう一度ちゃんとキスで起こしてくれたら、許してあげます」
そう一気に言って目を閉じた。
心臓が口から飛び出そう。
先輩の腕に触れた手が、震えてる。
……
…………
空気が動いて。
シトラスの香りがふっと鼻をかすめた。
ひんやり、唇にやわらかい感触。
「好きだ」
レモンミントの欠片が、私の胸の奥にふんわり落ちて。
そして私の中に、秋羅先輩が眩しいくらいの存在になった。
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