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私は、ある事件をきっかけに復讐屋の『ウサギ』を始めた。
復讐屋と言っても、人を殺したりはしない。
奪われた物を奪い返す。
それが、私『ウサギ』だ。
私がウサギを名乗るきっかけになった事件は解決したけれど、惰性で今も続けている。
もちろん、復讐屋は裏の顔。
本業は女優。
『家芝推(いえしば すい)』
これが私の名前。
演技は、まだまだ。
でも、私には強みがある。
それは…特殊メイク。
傷メイクから変装まで自分でできる。
これで、役の幅が広がっているのは
紛れもない事実だ。
そして、私がウサギをやめない理由が
もう一つある。
それは、一緒に暮らしている黒ネコ。
話の流れで黒ネコ『黄泉(ヨミ)』の
身元引請人になった。
実は、黄泉も復讐屋。
彼女は猫又で人の姿になれる。
日本人形のような女の子。
彼女の特徴は…『代筆屋』
死者の言葉を代筆し手紙を届ける。
その手紙を読ませる前に
ある行動をする。
それが契約。
受取人から時間をもらい、
その時間を差出人に移す。
つまり……
時間制限で生き返る。
生き返った差出人が受取人を殺したこともあった。
でも、私が身元引受人になってからは
そんな依頼は受けていない。
今は、カフェをしている。
もちろん、普通のカフェじゃない。
黄泉は何もしない。
お客が欲しいものが出てくるカフェ。
つまり、あやかしカフェ。
黄泉と暮らすようになって、
日常が非日常に変わった…
でも、これはこれで
私にはプラスになる。
だって、私の本業は女優だから。
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