眠る

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俺はアパートに静かに近づいて、周りに人がいないかを確認する。 そして、置いてあった室外機に乗って、腕を伸ばして二階部分のベランダを掴んで懸垂のように体を引き上げ、ベランダに侵入する。 (どれにしようかな・・・・・・) 俺は干された下着を見て悩む。 今までの経験上、下着を盗むときは全部よりも一、二枚の方が気付かれにくいので、吟味して選ぶ。 (ーーーーーこれにしよう) 干してあった黒の下着を取って、ベランダから逃げようと思ったとき、 (ーーーーーーーーー?) 俺はふと気づく。 目の前には閉められたガラス戸があり、カーテンのすき間から部屋の中が見えた。 物音を立てないようにガラス戸に近づき、部屋の中を覗く。 部屋の中は真っ暗で、目を凝らすと、ベッドに人が寝ているのを見つける。 (・・・・・・・・・・・・) さらに目を下に向けると、ガラス戸の鍵が閉められてないことに気づく。 それを見た瞬間、俺の中で邪な気持ちが湧き出てきた。
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