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【1】ホワイトレディ
「ねぇ、ちょっと聞いてるの?」
「ふぁっ?」
汐里はパッと顔を上げた。耳元で聞こえた声により、あっという間に現実の世界へと逆戻り。
夢見る乙女の夢心地な時間はあっという間に消え去った。
休み時間の教室はざわざわしている。
「まったく、また王子様の夢でも見てたんじゃないの?」
図星である。一瞬ドキッとしたが、それを悟られないように平静を装い、汐里は声の主である麻耶の方を見た。
「私だって、色々考えることぐらいあるんだから」
ぷいっとそっぽを向く汐里。
その姿を呆れたように見ていたもう一人の声の主・咲子が口を開いた。
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