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『底まで落ちたんだよ。そしてここに着いた。という事は』
「という事は……」
ここは。もしかして死者の世界?
「ねえ。私死んだの?」
答えがない。
静かすぎる暗闇、温度が急下降。
寒い。
両手で自分の体を抱え込むけど、震えが止まらない。
『とりあえず、まだ死んではいない。ただ意識不明の重体だ。
さて、僕は君への義務を果たした。質問に答えたまえ。まず第一問。君の希望は?』
希望?そんなの勿論
「家に帰りたい!」
『それは元の世界に、ということかい?』
「そうよ!ってことはここは……やっぱり死者の世界なの?」
『質問、第二問。欲しいアイテムはあるかい?』
「アイテム?それは何?」
『特殊能力でもいいが』
「スキル?ごめんなさい、意味が全く分からないんだけど。それって、小説か何かの世界?私ファンタジーとかはほとんど読まなくて。せいぜい星の王子様くらい。」
スキルってのも意味が分からない。それ何するの?
『……データ上、君は元の世界でいわゆる善行というものを4つやっている。だから今の状態で叶えられる希望が一つ。渡せるものが一つ。』
「すみません計算合わないんですけど。それだったらあと二つあるんじゃないの?」
『さあ何が欲しい?』
私の質問は丸無視ですか!
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