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『早くしないと時間はどんどん過ぎて行くよ。過ぎれば過ぎるほど戻れなくなるが。』
「いや、ちょっと待って、待ってください。私そのアイテムって言うのもよく分からないのよ。それは武器なの?武器がいるっていう事なの?ここから出るためには」
さっきまでぼんやり見ていた夢が脳内を駆け巡る。
ホントにあんなことやんなきゃいけないの?
『選べないなら何もなしで行くかい』
「だから、どこへよ。何処へ行くのかもわからないのに選びようがないじゃないの!」
『……仕方がない。今回は手を貸してあげよう。この四つのサイコロの中から一つ選びなさい。』
「ひっ!」
いきなり目の前にサイコロが四つ浮かびあがった。
緑、紫、白に透明。
『どれにする?』
無意識に指差したのは透明。
『それを取って振りなさい。』
言われたままに空中に浮かぶサイコロを掴む。
そのまま手を上に向け、ひっくり返すと。
サイコロは光りながら床と思しきところに落ち、コロコロ……
出た目は4。
つくづく今日は4に縁があるみたい。
『君はスキル「伸びる」を手に入れた。発動は許可制だ、使う目的と意志が定まっていないと使うことは出来ない。その代わり使用制限はない。がんばって元の世界に帰るんだよ。ほな、さいな』
ほな、さいな?
ドン
ぎゃ!
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