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あらら、あそこの交差点、工事中だ。 旗振りおじさんが車をさばいてる。 仕方ない、迂回するか。 買い物っていっても、ヨーグルトドリンクとミネラルウォーター買うだけだから、コンビニでもいいんだけど。 実はコンビニの方が遠かったりするのよね。交差点渡って、三つ目の角を右に曲がって二つブロック越えたところで左に。 あれ?合ってる? ま、いっか。 合っていようがいなかろうが誰に迷惑が掛かる訳でもない。私に興味がある人なんていない。 他人のことなんて誰も気にしちゃいない、私だってそう。 あーかかと痛い。 空は青い。 見慣れたビル、見飽きたアスファルト。 毎日毎日、生きてるようで生きてないようで、でも生きてる以上は生きてくために働らかないといけなくて。 難しいこと考えなくても決まったことを決まったとおりにやっていれば、なんとなく食べていけてなんとなく笑えて。 昨日もそうだった。一昨日もそういう。 今日みたいなイレギュラーは一年に何回もないこと。明日はまたいつも通りの日常で繰り返し繰り返し。 こうやって人生は過ぎていき、気がつけば年を取って… 空、ホントに青いなあ。雲一つない。 おっと交差点。 丁度信号青だ。急いで渡らないと。 「あ、危ないよ!あんた」 え? ん? 足元が? 宙をぷらぷらん? 何が起こった? あれ?マンホールのふたがマンホールの上に…… 無! 「いっ?ぎゃあああああああ!」     
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