プロローグ:嵐の前の静寂

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プロローグ:嵐の前の静寂

 もしも過去を変えたいと思ったら、お前達はどうする。  俺は過去にも未来にも興味無いし、元々時間旅行なんてものには全く魅力を感じなかったワケだが、あのとき初めて、思ったかもしれない。  もし過去を変えられたなら、全てを取り戻せるのに。なんて。  でも今じゃ、もう笑い話にできるくらいの思い出というか、俺という人生が改めて始まった日なんだなって、胸を張って言える転機だと思ってる。  実際、アレから色んな奴と出会ったり、戦ったり、関わったり、仲間が増えたり、色々あったワケだし。  ダラダラと語るのもアレだ。知りたきゃ実際に読めばいい。そっちの方が理解は早いと思う。  時期は確か、竜暦一九四〇年の、三月十六日。  場所はヒューマノリア大陸南部、武市(もののふし)。あの頃の俺は、ガッコウとかいうのに無理矢理、通わされてたっけ―――。
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